できるだけ本場の味にちかいパステル・デ・ナタを東京で食べる

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BOA NATA

作成日:2019/02/19 最終更新日:2022/02/02 かいたひと:松崎有理


2018年秋。念願のポルトガルへ二週間旅行して、現地の飲食物にすっかり魅了されてしまいました。
このページでは、ポルトガルの代表的なお菓子であるパステル・デ・ナタ Pastel de Nata をなんとか東京にいながらにして食べられないか、いろいろ歩き回った記録をご紹介します。
入手難易度順です。

【もくじ】
成城石井
業務スーパー
ピカール
シアトルズベストコーヒー
エッグセレント・エッグタルト
ボア・ナタ
ナタ・デ・クリスチアノ
ドース・イスピーガ
番外その1 アンドリューのエッグタルト(大阪など)
番外その2 カステラ・ド・パウロ(京都)

成城石井

成城石井公式サイト
入手難易度 C(とてもかんたん)
クリームがポルトガル度 A
皮ぱりぱり度 C
価格 C(安い)

成城石井のパステル・デ・ナタ

こんなかんじでさりげなく、たいていどこの店舗でも置いてます。


いちばんかんたんに入手できるのが成城石井。
なんとポルトガル直輸入のパステル・デ・ナタを買えます。
冷蔵品なので皮のぱりぱり感はまったく期待できませんが、そこに重きをおかない(松崎のような)ひとはどうぞ。
クリームはさすが直輸入だけあって本場の味そのものです。

業務スーパー

業務スーパー 公式サイト
入手難易度 B
クリームがポルトガル度 ?(判定不能)
皮ぱりぱり度 B
価格 Cー(とても安い)


Twitterで教えていただいたので、さっそく最寄り店舗を探して購入。
すくなくともこの店舗では、チョコクリーム入りしか売っていませんでした。

業務スーパーのパステル・デ・ナタ

冷凍品。松崎が購入した店では4個入り462円税込でした。つまり、いっこあたり約115円。都内最安値ではないかと思います。


業務スーパーのパステル・デ・ナタ

ごらんのとおり、底からチョコレートが透けてみえます。


調理済み品を冷凍、購入者が各自オーブントースターであっためて食す、というタイプ。
皮ぱりぱりにこだわらなければ、自然解凍でもいけるはずです。
クリームの下に濃厚なビター系チョコレートが入っています。あまりにチョコの味が濃いので、クリームの味を評価するのは無理でした。

ピカール

Picard 公式サイト
入手難易度 B
クリームがポルトガル度 A
皮ぱりぱり度 A+
価格 Cー(とても安い)

ピカールのパステル・デ・ナタ

焼き目をきれいにつけるのはけっこう難しい。


フランス資本の冷凍食品専門スーパー。都内に8店舗(2019年2月現在)
ここにはポルトガル直輸入の冷凍パステル・デ・ナタがあります。
しかも1個あたり122円。
こちらは上の業務スーパーとちがって未調理品です。オーブンで調理します。
自宅で焼くからとうぜん、ほかのどこよりも皮がぱりぱりです。
ピカールのパステル・デ・ナタ

6個入り。焼き終えたあとは常温で約15分置いて、とあるけれど、15分ではまだバターが液状で落ちついていないので、一時間くらい置いたほうがいいと思います。


ピカールのパステル・デ・ナタ

底はこのとおり、ぐるぐるです。


冷凍食品ですので、保冷バッグを持って買いに行きましょう。店舗でも500円くらいで売っています。
なおドライアイスは無料でつけてもらえます。

シアトルズベストコーヒー

シアトルズベストコーヒー Seattle’s Best Coffee 公式サイト
入手難易度 B
クリームがポルトガル度 A
皮ぱりぱり度 B
価格 A+(高い)

シアトルズベストコーヒーのパステル・デ・ナタ

ひとつ280円なり。


呼ばれていたのでしょうか。池袋サンシャイン60店にふらっと立ち寄ったら、フードのケースのなかに燦然とありましたよ。ぴかぴかして見えました。
全店舗で買えるかどうかは確認していないので、入手難易度はとりあえずB。目撃情報をお待ちしております
さてお味。クリームは合格です。ほんのりカラメル風味もして松崎は好みでした。
皮は若干やわらかめ。これも、リスボンあたりのカフェで半日放置されたパステル・デ・ナタをほうふつとさせるので、やはり松崎の好みです。

エッグセレント・エッグタルト

eggcellent egg tart 公式サイト
入手難易度 B
クリームがポルトガル度 B
皮ぱりぱり度 A
価格 B(ふつう)

エッグセレント・エッグタルト

名前が「エッグタルト」というだけあって卵味です。


都内4店舗(2019年2月現在)。アクセスがいいのはエチカ表参道店でしょう。なんたって駅直結。夜10時までやっているのもうれしいところ。
それと、この店があるのはエチカ内のフードコートのようなところで、すぐ向かいでエスプレッソを買えるのでポルトガルでおなじみの「ビッカとパステル・デ・ナタ」ができます。しかも店頭にはシナモンとシュガーパウダーもあるのでさらにポルトガル気分にひたれます。
卵屋さんなだけあってクリームの味は卵が強く、マカオのエッグタルトに近い味がしました。

ボア・ナタ

ボア・ナタ 公式サイト
入手難易度 B
クリームがポルトガル度 A
皮ぱりぱり度 A
価格 B(ふつう)
お店は八丁堀と茅場町のあいだくらいにあります。2019年にオープン。なんとオーナーさんはポルトガル人だそうです。
いまのところ行けばだいたい買えます。心配なかたは予約しましょう。

BOA NATA

店舗外観はこんな感じ。「BOA NATA」の看板が目印です。


BOA NATA

店内。ガロ(伝説のニワトリ)やイワシやバカリャウ(タラの干物)などポルトガルモチーフまんさいです。


BOA NATA

メニュー。ポルトガル菓子はほかにパォン・デ・ロー(生カステラ)とマミーニャシュ・デ・ノヴィッサ(卵黄ケーキ)があります。下の方、切れちゃってますがドリンク類もあり。


BOA NATA

かんじんのパステル・デ・ナタ。本格派です。グリル等であっためて食べるとますますパリパリ感が増します。なおパォン・デ・ローとマミーニャシュ・デ・ノヴィッサも購入しました。どちらも本格ポルトガル卵黄クリーム味でした。

ナタ・デ・クリスチアノ

Nata de Cristiano 公式サイト
入手難易度 A
クリームがポルトガル度 A
皮ぱりぱり度 A
価格 B

ナタ・デ・クリスチアノ

ナタ・デ・クリスチアノのお店外観。うっかり見落としそうになるほど小さいので注意。


さてこのへんから入手難易度があがってまいります。
代々木公園駅1番出口から大きな交差点をわたり、ファミマをとおりすぎて左の細い道へ入ったところにある小さくて目立たないお店です。
パステル・デ・ナタは人気商品で、早めに売り切れてしまうので心配な方は予約の電話を入れるといいでしょう。
この店のおもしろいところは、ほかにもいろいろポルトガル菓子やお惣菜を取り扱っている点。
カステラの先祖パォン・デ・ローや、現地でさんざんみかけたエンパーダ・デ・フランゴ(チキンパイ)、それとトルタ・デ・アゼイタオン(卵のロールケーキ)も。現在はお休みちゅうのようですが、松崎はこれだいすきなのでぜひ復活してほしいです。
ほか、ドリンクがとにかく安いのがうれしい。ビッカなんて150円ですよ。真正ポルトガル価格です。ほかコップワイン(「グラス」ではなく「コップ」と称するところがポルトガルっぽい)、ジンジーニャなども破格。おそらく松崎の知るかぎりで、都内いちグラスワインが安いところだと思います。ただしテーブルはなく、腰掛けがいくつかあるくらいで立ち飲み同然だということはご承知ください。
ナタ・デ・クリスチアノのパォン・デ・ロー

はいこちらがパォン・デ・ローさんでございます。食べ方指南つき。2,3日もつそうです。


ナタ・デ・クリスチアノのパステル・デ・ナタ

ナタ・デ・クリスチアノのパステル・デ・ナタ。こちらもしっかり食べ方指南がついています。


ナタ・デ・クリスチアノのパステル・デ・ナタ

これもみごとに底ぐるぐるです。

ドース・イスピーガ

Doce Espiga 公式サイト
入手難易度 A+++(とても困難)
クリームがポルトガル度 A
皮ぱりぱり度 A
価格 B

ドース・イスピーガ

ドース・イスピーガの店がまえ。


大トリです。丸ノ内線淡路町駅B5を出て直進、巨大パチンコ屋の手前を右折して細い細い道を入ります。
ふらっと行ってもパステル・デ・ナタはまず買えません。予約必須です。しかも電話ではなく、前日以前にFAXという難易度の高さ。
FAX番号も松崎の知るかぎりではweb非公開なので、はじめて行くひとは①まず直接来店②FAX番号をゲットする、ないしその場で口頭にて予約する、の手順を踏まねばなりません。
しかしその手間をかけるだけの価値のある味です。
なおパステル・デ・ナタ以外のお菓子もとてもおいしくて、どれを選んでもはずれはありません。松崎がとくに気に入ったのはプリンです。
カウンターとベンチがあって店内で食べることもできます。コーヒーやグラスワイン、ジンジーニャもあり。トイレと無線LANがあるのがうれしいところ。
ドース・イスピーガのパステル・デ・ナタ

ドース・イスピーガのパステル・デ・ナタ。予約必須。


ドース・イスピーガのパステル・デ・ナタ

はいこれまた底ぐるぐるですよ。

番外その1 アンドリューのエッグタルト(大阪など)

アンドリューのエッグタルト 公式サイト
入手難易度 A(東京では困難)
クリームがポルトガル度 C
皮ぱりぱり度 B
価格 B

アンドリューのエッグタルト

ポルトガル味ではないのですが、松崎は個人的に好きです。


本店がマカオにあるので、パステル・デ・ナタではなく「エッグタルト」です。
しかしマカオのものと日本で売っているものとではあきらかに味がちがいます。マカオの卵味ではなく、なんというかクリーム味、チーズ味といった感じ。松崎は好みなのでここで紹介してみました。
店舗はほぼ関西で、東京では催事でのみ入手できます。冷凍品を通販もできますが、これまたなぜか店舗で買えるものと味がちがうのですよ。

番外その2 カステラ・ド・パウロ(京都)

Castella do Paulo 公式サイト
入手難易度 A++++++(東京では不可能)
クリームがポルトガル度 A
皮ぱりぱり度 A
価格 A(ちょっとお高め)

Castella-do-Paulo

パッケージもかっこいい。「日本とポルトガルの交流の歴史」をたいせつにしている姿勢が伝わってきます。


京都にある本格ポルトガル菓子店。
しかし看板メニューはカステラ。その理由はサイトをごらんください
京都、しかも北野天満宮そばと東京からのアクセスはひじょうにたいへん。
しかしおいしいので、番外としてご紹介しました。
なおこのお店、毎月25日にかぎってボラ・デ・ベルリンをつくってくださっています。たぶん松崎の知るかぎりで日本唯一のボラ・デ・ベルリン。どうか続けていっていただきたいです。

 

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ポルトガル、マカオの旅行記はこちらから:
ポルトガルを旅行してみてわかった、ググっても出てこないこと
カジノへ行かないマカオ〜ポルトガルのおもかげを求める旅

マカオを舞台にした拙作の試し読みです:
『5まで数える』表題作冒頭部分試し読み

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人間の極限。

『イヴの末裔たちの明日』

出版社 東京創元社
発売日 2019/11/29
単行本、四六判仮フランス装
定価 1700円(税別)
装画 カシワイ
装幀 小柳萌加(next door design
●がっちりSFな短編集。でも「SFってこむずかしげで苦手」というかたでもエンタメとして楽しめるよう工夫しています。ぜんたいのテーマは「人間の極限」。窮地に立たされた主人公への魂の試練です。
●もくじと作品概要
1、「未来への脱獄」
ストレートな時間テーマもの。
「自分は未来人」と嘘をついたせいで懲役となった男が、刑務所のなかで同じく未来人と自称する男とガチでタイムマシン建造する話。
★冒頭部分はリンクから読めます
また、電子版が単品販売されています。
2、「ひとを惹きつけてやまないもの」
本書のなかで最長。
19世紀のトレジャーハンターと21世紀の数学者が、たまたま同じ名前の謎の解明にとりつかれます。謎には莫大な賞金がかかっているところも同じ。
前半部分を無料公開しています。
3、「イヴの末裔たちの明日」
表題作。近未来もの。
AIに仕事をとられて失業した主人公がみつけた、ぜったいに人間にしかできない仕事とは。
こちらも電子版単品販売があります。
また、オーディオ版もあります。朗読は兼高美雪さん。
4,「まごうかたなき」
書き下ろし。
伝奇ファンタジー。村をおそう妖怪を退治するため決死隊が結成されます。妖怪を倒せば英雄になれますが、ひじょうに危険な任務です。妖怪にはある不思議な特徴があって、だれが倒したかわかるようになっています。
5,「方舟の座席」
書き下ろし。「ひとを惹きつけてやまないもの」スピンオフ。
滅亡寸前の地球から、ひとにぎりの超富豪が宇宙ステーションへ逃れます。皮肉なことに彼らは先の短い老人ばかり。それと非公式に、若い女性も幾人か含まれていました。
「web本の雑誌」で牧眞司さんの書評が読めます。
●ほか、くわしい情報は当サイト内特設ページをごらんください。
●ご意見・ご感想は東京創元社までおねがいいたします。

     

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