作成日:2018/07/14 最終更新日:2019/04/04 かいたひと:松崎有理
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4コマまんが「わるすずめ」https://t.co/KZNANoEFLm pic.twitter.com/HvFgUmi1MZ— 松崎有理(作家)公式 (@yurimatsuzaki_n) 2018年7月12日
【もくじ】
1,その動機
2,「元祖・金太郎飴本店」にてオリジナル飴をオーダー
3,シールを作成
4,完成
5,じっさいにつくってみてわかったこと、いろいろ
6,反響
7,おすすめのケース(事例)
8,おまけ・金太郎飴をCTスキャンしてみた
1,その動機
松崎がデザイナとして参加している有限会社ホワイトラビットは超零細企業なのだけど、以前からひとつの野望があった。すなわち、販促品をつくってみたい。
以下、デザイナと社長によるブレストのもようをダイジェストでどうぞ:
「もらったひとがよろこんでくれる、これがなにより最優先」
「となると食べもの、とくにお菓子かな。予算がゆるすかぎりおいしいやつ」
「プレゼントだから日持ちするものじゃないと。でも保存料が入るとまずくなるから、無添加で日持ちするっていうとやっぱり飴ですかね」
「みためもかわいいのがいい。いまや kawaii は国際語だ」
「それとどうせつくるなら、つくる側もたのしいほうが」
等々の条件をみたしたのが、台東区根岸にある老舗「金太郎飴本店」のオリジナル飴だった。
2,「元祖・金太郎飴本店」にてオリジナル飴をオーダー
オーダーのさいは以下のことに留意を:
まずなにより先に図案をつくり、問い合わせフォームから送って金太郎飴にできるかどうか相談する
図案によっては飴化できないものもあるらしい。
弊社では、図案A(会社のロゴマーク)と図案B(広告まんがキャラクタ「わるすずめ」)を送信してどちらがいいか相談してみた。
じつはA案には不安があった。なにせ飴だ、印刷物ではない。サイトの作例をみるとできあがりはけっこうゆがむみたいだ。ロゴって、ゆがんでしまうとロゴだと認識されにくいかもしれない。
いっぽうB案「わるすずめ」の顔。なにせ人間の顔認識能力とはものすごいもので、少々のゆがみなどまったく気にせず顔であると瞬時に判定してくれる(パレイドリアなんていう過剰判定現象があるくらい)。そもそも、金太郎飴の図柄って顔じゃないか。だから飴化しやすいはず。
と思ったら金太郎飴本店さんもB案をすすめてきた。よって「わるすずめ」で決定。
完成までの時間のみつもり
公式サイトによれば一ヶ月くらいはみたほうがいいとのこと。じっさいには三週間ほどでできたが、ウェディングなど一生にいちどのイベントで使うならば余裕をもって。自分たちでシールをつくるときはその時間も計算に入れること。シール作成については次項で説明します。
価格
まずはお試し、ということでいちばん少ないロットでつくってもらうことにした。
見積価格は:
オリジナル飴(面切タイプ)1500粒 37,000円
税 3,120円
送料 2,000円
合計 42,120円
シールをつくるのでこれに別途シール代。
パッケージなど
袋詰め、シール貼りは無料でしてくれる。弊社は5粒をひと袋として「無地/マチ無し/平袋」に入れてもらった。このタイプがいちばんシールがめだちそうだったので。
3,シールを作成
印刷屋さんはどこでもよかったんだけど、シールを専門に印刷しているところを検索して上位10件のうちいちばんサイトがわかりやすい「シール直送便」をえらんだ。シール用紙についての説明もていねい。
弊社の注文の詳細は:
上質紙シール
30平方cm(4cm×6cm)、300枚
一般強粘着
ラミネートなし
19パス以内
シートに複数枚
裏スリット無し
合計 4,638円(ただし納期が6営業日のばあい。急ぐならそのぶん高くなる)
この印刷屋さんのよい点は:
- 1回の注文金額の合計が4000円以上で基本配送料無料
- 法人のばあい後払い可能
- 代行出荷が可能。つまり今回のばあい、弊社で注文したシールを金太郎飴本店に納品してくれるので時間が節約できる
4,完成
5/17に飴の代金を振込。入金確認後、製造に入るとのこと。
6/15が納品予定日だったが、じっさいには6/8にとどいた。はやいはやい。
(注意:つねにこんなにスムーズとは限らないと思います。日程には余裕を持って進めましょう)
5,じっさいにつくってみてわかったこと、いろいろ
できあがってきた飴のボリューム
5粒X300袋=1500粒とはこれくらいの物量。1500粒でこれなので、もっと大量に注文するひとは置き場所を考えたほうがいい。なお、とうぜんだが真夏のばあい高温になる場所での保管は避ける。
段ボールふたつぶんで10㎏ちかくになる。だから、「これ持って電車で運ぼう」などとくれぐれも思わないこと。とはいえ、結婚式場等への搬送サービスはしてないそうな。
飴はあまっていた
納品された飴とともにお手紙がいちまい入っていた。いわく:
「飴がよぶんにできました。5粒X200袋までなら、ひと袋につき包装代40円のみでおゆずりします。不要ならば処分します」(大意)
とのこと。そりゃあもちろんいただきますよ弊社としては。
追加料金の内訳:
オリジナル飴(面切タイプ)追加包装分 200袋X40円=8,000円
送料 840円
消費税 707円
合計 9,547円
シールあれこれ
追加包装分にももちろんシールが必要なので再注文することに。
そのさい、前回の教訓を活かしてブラッシュアップ:
- サイズをちいさくした。そのほうが中身の飴がよくみえるし、シール代金はサイズ依存なので価格も安くなる
- それにともないデザインも少々変えた。とくに「(株)金太郎飴本店でつくっていただきました」という文言はかんぜんに不要だった。なぜなら、できあがった飴の袋には裏表示シールがあって製造者情報が記されているから
あたらしい注文の詳細は:
上質紙シール
20平方cm(4cm×4cm)、200枚
一般強粘着
ラミネートなし
19パス以内
シートに複数枚
裏スリット無し
合計 2,896円
最終的な単価
いろいろあって、けっきょく500袋できあがってしまった。
ここでシール代もふくめて単価計算してみる。
(42,120+4,638+9,547+2,896)/500=118.4円(ひと袋あたり)
販促用ノベルティとしてはまあまあの値段に落ちついたといえるだろう。
6,反響
じっさいに配布してみた。
古生物学会会場の談話室1と標本展示室で、弊社キャラクター「わるすずめ」の金太郎飴を無料配付中です! pic.twitter.com/djftNeBGEg
— white-rabbit (@XRayCT) 2018年6月23日
- とにかくかわいいと評判。とくに女子うけばつぐん。「娘に一瞬でひったくられて、たからもの箱にしまわれちゃいました」知人A(関連会社)
- 味もおいしいとやはり好評。「もっともらってこいと妻に命じられました」知人B(大学准教授)
7,おすすめのケース(事例)
- 小規模の会社や個人事業主などのPR用。社名や連絡先やロゴをシールに入れるとよい。ただしシールが大きすぎるとなかの飴がみえなくなるので注意
- 結婚式のプチギフトに。てづくりのあたたかみ、伝統の技、すばらしい味が手ごろな価格で実現可能
8,おまけ・金太郎飴をCTスキャンしてみた
どういうわけか社長が「そうだ金太郎飴をCTで撮ってみよう」と思いついた(*)。CTは中身がわからないものを非破壊でみられるのが売りポイントなのに、金太郎飴って。なんたる無駄な使いかた。
*追記:Twitterでヒントをもらったようです。
しかし、やってみたら意外にもあらたな発見があった。飴の白い部分と、色のついた部分はどうも密度がちがうらしい。どの色もおなじ「さらし味」のはずなんだけどね。
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「わるすずめ、ってなによ」と思ったかたへ:
わるすずめ——野鳥4コマまんが
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