わるすずめ—野鳥4コマまんが

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いかにも悪そうなスズメ


作成日:2017/11/04 最終更新日:2024/01/17 かいたひと:松崎有理

このページは、学術雑誌『化石』に広告として掲載している4コマまんが『わるすずめ』シリーズをたんたんと置いていく場所です。たんにまんがを置くだけではつまんないので、まんがに登場する生き物たちについての読書案内や解説を付します。

【もくじ】
その1
その2
その3
その4
その5
その6
おまけ・1コマまんが
その7
その8(番外編)
その9
おまけ・1コマまんが
その10
その11
おまけ・カレンダー
その12
おまけ・カレンダー
その13
おまけ・わるすずめケーキ
その14
その15
その16
おまけ・きょうのワル
おまけ・年賀状2024
その17

その1

「わるすずめ」第一話

「おっとりライバル」はとくに登場しません。


【ごあんない】

  • 『スズメ つかず・はなれず・二千年』三上修 スズメ研究者によるスズメの本。スズメを知るにはまずこの一冊。なお松崎は著者の三上先生とおなじころ東北大学青葉山キャンパスにおりました。ざんねんながら面識はありません。
  • 『シートン動物誌〈1〉ピューマの遊び心』アーネスト・シートン 今泉吉晴監訳 フィクション色のつよい「動物記」とちがってこちらは詳細なノンフィクション。第一巻はネコ科動物編。けっして入門的とはいえないけど、シートン自身によるスケッチがとてもみごたえあるのでおすすめします。松崎はこの本でオセロットという生き物がだいすきになりました。「からだが大きめの、無邪気で善良なネコ。ひとつの檻にぎゅうぎゅうで十二頭入れておいてもまったく問題ない。ほとんど一日中丸まって横になり、伸びをしたいときにはまず隣で寝ている仲間をなめる。けんかはめったにしないが、どうしてもというときには前脚で叩き合いをする」(大意)。なにこれ混ざりたい。日本ではズーラシアで出会うことができます。
  • 『シートン動物記〈2〉狩られるものの生活』 さてこっちはおなじみ動物記。「町の吟遊詩人、ある雄スズメの冒険物語」はタイトルどおり一羽のスズメを追う波瀾万丈ストーリーです。「スズメの世界では力が正義だ。かれらの喧嘩のたねは食べ物、恋人、すむ場所と巣の材料で、人間とあんまり変わらない」(大意)なのだとか。それにしても動物記というのは、児童書に分類しておくのがもったいない名シリーズだと思うなあ。シートンはストーリーテリングも挿絵もほんとうにうまいひとだった。
  • 『ドリトル先生シリーズ』ヒュー・ロフティング 井伏鱒二訳 フィクションのなかのスズメの代表といえば、松崎にとってはなんといってもチープサイド。なお奥さんのなまえはベッキーです。井伏訳も味があってすばらしいですが、著者ロフティングが亡くなって50年がすぎたので原書を無料で読むこともできます。

その2

「わるすずめ」第二話

カラスっておしゃべりだなあ、という感想から生まれました。


【ごあんない】

その3

sparrow-comic3

正月用に描き下ろしたもの。

その4

sparrow-comic4

正月用に描き下ろしたもの、ふたつめ。「その3」とはペアになってます。出演はメジロさん。

その5

「わるすずめ」第五話

水浴び編。

その6

「わるすずめ」第六話

砂浴び編。鳥は水ないし砂を浴びるのがだいすきですが、スズメはなぜか両方ともすきです。雪の降ったあと雪だまりで雪を浴びているのをみたことがあります。「水+砂」みたいで心地よかったんじゃないでしょうか。

おまけ・1コマまんが


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その7

「わるすずめ」第六話

今回は残虐だけどとくに悪くないスズメ。
春〜夏の子育て時期にはせっせと虫を捕ります。おかげで農業害虫はずいぶん減っているはすなのですよ。

その8(番外編)

悪い雀踊り

今回はぜんぜん悪くないので「番外」。元ネタは『北斎漫画』の雀踊りです。仙台青葉まつりとは直接の関係はありません。


北斎の雀踊り

こちらが元ネタ。今回のわるすずめの脚がこころもち長いのは、人間の踊りを再現しようとしたせいです。

その9

わるすずめ9

ひさしぶりにがっつり悪いすずめ。なお野鳥の捕獲は現在では犯罪ですのでご注意を。

おまけ・1コマまんが

その10

わるすずめ10

拙宅の近所にひとりぐらしのキジバトがいます。いつも雀たちに数で負けています。ドバト(カワラバト)とちがって群れないのです。

その11

わるすずめ11

とくに悪くないスズメ。冬になると自前のダウンをふくらませて着ぶくれします。換羽するので「着たきり雀」は言いがかりです。

おまけ・カレンダー

2021年4月カレンダー

松崎有理オリジナルデザイン・2021年カレンダーの「4月」はわるすずめにしました。桜の花を首からちぎって食べる悪いやつです。 使用フォントははんなり明朝

その12

わるすずめ12

三上修『スズメ つかず・はなれず・二千年』より。子育て時期以外は毎日がだいたいこんな感じです。

おまけ・カレンダー

2021年9月カレンダー

9月といえば稲刈り、稲刈りといえば農家さんを悩ませるのがすずめたち。でも、春夏の子育て期はものすごい勢いで害虫退治をしてくれるのでどうか勘弁してあげてください。
使用フォントはセプテンバー

かかしの顔をよくみてください。定番の「へのへのもへじ」ではなく「ああしんぴ」です。知ってるひといるかなあ。

その13

わるすずめ13

悪いすずめも、生まれたときから悪かったわけじゃないんです。「雛」のコマのあとになにかがあったのですよ。
なお春っぽい内容なのは、3月号に掲載する広告だからです。

おまけ・わるすずめケーキ

その14

収穫した米を食い荒らしてしまう悪者あつかいされがちですが、夏の子育て期にはもりもり害虫を食べてくれます。

その15

なまづをとこ対わるすずめ

ついになまづをとこが登場。ブラックすずめ団との対決やいかに。

その16

わるすずめ16

ひさしぶりに白猫さん受難の回です。

おまけ・きょうのワル

おまけ・年賀状2024


共演はなまづをとこです。

その17

わるすずめ17

冬の風景。左上のゲスト野鳥もジョウビタキです。

 

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  • 4コマまんががお好きですか。「はりもん」シリーズは、鳥のような植物のようなおかしなキャラクタが活躍する、やはりセリフのない4コマまんがです。
  • 生き物がお好きですか。不思議かわいい深海のタコ、ダンボオクトパスくんについての詳細な記事がありますよ。拙著『架空論文投稿計画』の表紙にもなっています。
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松崎有理のデビュー作です。

『あがり』文庫版表紙と瀬名秀明さんによる帯
『あがり』

出版社 東京創元社
発売日 2013/10/31
文庫
定価 903円(税込)
解説 三村美衣

●デビュー作『あがり』が文庫になりました。
文庫版ボーナストラックとして短編「幸福の神を追う」(集英社『小説すばる』2012年7月号掲載「おらほさきてけさいん」改題)を収録しました。また、文庫化するにあたり各話とも手をいれました。
なお、オーディオ版もあります。朗読は兼高美雪さんです。
もくじと作品概要
1、「あがり」第1回創元SF短編賞受賞作。師の死を悼む男子学生の実験がとんでもない結末を引き起こします
2、「ぼくの手のなかでしずかに」小太り薄毛で研究もぱっとしないポスドク数学者が、とある自己実験をはじめたせいでどんどん変貌していきます
3、「代書屋ミクラの幸運」論文執筆代行業、ひとよんで「代書屋」。ここからシリーズ短編集と長編が派生しました
4、「不可能もなく裏切りもなく」中編。著者の持つバイオ知識をあらんかぎり注ぎこんだ本格ハードSFです。ここで描かれたすべての実験がじっさいに再現可能です
5、「幸福の神を追う」いわゆる異類婚姻譚。異類といってもすっごくかわいらしい、あれですよ
6、「へむ」医学部の地下にはりめぐらされた通路。そこには子どもにしかみえない妖怪たちがひっそり暮らしていました。少年と少女はかれらとなかよくなりましたが、ある日とつぜん地下道の閉鎖が決定します

第1回創元SF短編賞受賞作「あがり」単品で電子版が発売されています。
税込定価105円。特別付録として「選考経過ならびに選評」を収録しています。

松崎有理のほかの著作については、作品一覧ページをごらんください。

     

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