作成日:2010/06/30 最終更新日:2017/11/21 かいたひと:松崎有理
コーヒーは作家の友。まいにち飲んでます。消費量がはんぱじゃないのでもっぱら通販でまとめ買い。
それは、いつも通販で買っているコーヒー豆(もちろん焙煎ずみ)に同梱されていた、ひとつの袋からはじまった。
同封のメモにはいろいろ書いてあったけど、
脚色しつつ要約するとこんな感じ:
「コーヒーの種をお送りします。
日本では気温が低いので、発芽するかどうかよくわかりません。
でも、運だめしと思って植えてみてね。Good Luck ! 店主より」
というわけで、コーヒーの種を撒いてみることにした。以下、その生育日記。
なお、生育状況は:
- 場所=名古屋市。夏めっちゃ暑いことで有名
- 部屋=鉄筋マンションの四階。南向き、陽当たり超良好。気密性あり
つまり年じゅうあったかい。これとてもだいじだとのちに判明する。
では、日記スタート。
2010年3月某日
コーヒー屋さんメモによれば、用意するものは:
- 植木鉢がわりの紙コップと、植木鉢の下に敷くもの
- 園芸用赤玉、砂など栄養分のあまりない土
紙コップでは強度が不安なので、そこそこ高級なデザートの空き容器を用意。底にはんだごてでいくつか小さい穴をあける。容器のふたはそのまま鉢受け皿に。
水はけをよくするため、まず容器の底に小石を敷く。そのうえに園芸用赤玉を詰める。
そしてメモの指示通り、土に指の第一関節くらいの深さの穴をつくって種を撒く。土ぜんたいが湿るていどの水をかける。
なお、種はまえもってひと晩水につけておくとよいそうだ。
あとは、あたたかい場所に静置。20度くらいが理想とのこと。0度になったら枯死してしまうそう。
植木鉢が軽くなっているようならまた水を撒く。
そうして、待つこと3か月。
写真つき記録はここまで。
このあとコーヒーの木がどうなったかといいますと。
以上は名古屋に住んでいたころの記録で、
松崎は2012年春に東京都内へ引っ越しました。
そのとき、この二本のコーヒーの木はだいじに連れていったのだけど、
なにより引っ越し先が築60年の古民家寸前木造日本家屋だったのがいけなかった。
かわいそうなことに、さいしょの冬の寒さに耐えられず二本ともあえなく枯死してしまいました。
教訓:日本家屋でコーヒーを栽培するなかれ。
協力:サザコーヒー
茨城県ひたちなか市共栄町8-18
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松崎有理はプロ小説家です。おもにコーヒーのエネルギーで駆動しています。
プロフィール
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「数学者はコーヒーを定理に変える機械」といったのはポール・エルデシュかレーニ・アルフレードかわかりませんが、とにかく数学者を主人公にした小説も書いています。『5まで数える』