「苦手だけど、数学やらなきゃ」とお困りの文系さんによりそって、おすすめ数学書を選んでみる

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アーベル肖像画

作成日:2021/01/20 最終更新日:2023/09/08 かいたひと:松崎有理(理系女子作家)

こんなひとのための記事です。

  • 上司から「数学やれ」と命じられている
  • 自分の将来のために数学を勉強せねばと感じている
  • 高校以来、数学に触れていない。数式どころか数字をみるのもダメ
  • 数学きらいなのでどこから手をつけていいかすらわからない
  • 「数学が好き」っていうひとが理解できない

人工知能の普及にともない、数学を勉強しなおす必要性にせまられているひとは多いことでしょう。
しかし、数学をみるのもいやというひとが多いのも事実。
じつは松崎、理系ですが学生時代は数学が苦手でした。しかも高校のときは文系クラスにいたので、いわゆる「理転」者。苦労もひとしおでした。
でも社会人になってから数学のおもしろさに目覚め、作家デビューしてからはたびたび数学の魅力を伝える作品を書いております。たとえば、これ。松崎の実体験が結実した短篇です。

異世界数学

作品タイトルは「異世界数学」。短編集『シュレーディンガーの少女』収録。


もと数学苦手な理系作家・松崎有理が、文系のひとでもきっと数学を好きになれるおすすめルートを考えてみました。紹介されている本を順番に読んでみてくださいませ。すべて、松崎がじっさいに読んでおもしろいと思ったものばかりです。
なお本稿では数学を「得意になる」ことではなく、「好きになる」ことを最優先しております。なぜなら、ひとたび好きになりさえすれば「得意はあとからついてくる」から。では、どうぞ。

【もくじ】
1,「歴史」「人物」から入る
2,数学=言語と考える
3,いっそ文学からアプローチ
4,数学が好きなひとは、数学のどんなところが好きなのか
5,「数学まだ苦手だけど、好き」になったらぜひ読んで
6,それでもやっぱり「数学が役に立つ」証拠がほしいあなたへ

1,「歴史」「人物」から入る

まずはいったん数式とか計算とかをいっさい忘れて、もとから好きで得意な分野から入っていきましょう。
文系さんはきっと、歴史や人間を描いた本なら大好きなはず。
そこで、こんなのはいかがでしょうか。

映画もどしどし活用しましょう。

ミーハーでいいんです。歴史上の数学者にお気に入りがひとりでもみつかれば、あなたの勝ち。そのひとのファンになり(固い言葉でいえば「私淑」)、そのひとについてどんどん調べましょう。歴史上の人物を調査するのは、文系さんは得意ですよね。きっと知れば知るほど好きになりますよ。
歴史上の数学者はどうしても男性が多いので、この方法なら女性が有利かも。
参考までに、松崎のおすすめ数学者をご紹介。

  • ニールス・ヘンリック・アーベル


    若くして結核に倒れた悲劇の人生も、一枚きりの肖像画に描かれる憂いをおびた表情も。数学的業績はもちろんものすごいのですが、そんなのずうっとあとから学べばよいのですよ。

  • エヴァリスト・ガロア


    松崎はフランスにあるガロアの墓にまで行ってしまいましたよ(他サイトに書いた記事です)。
    まいとし5月に行われる京大ガロア祭は、たぶん彼の命日にちなんでいると信じたい。ところでガロア祭の懸賞問題は数学科以外でも応募できるみたいなので、「文学部所属だけど優秀者になりました」みたいな剛の者がいそうですけどどうなんでしょう。

  • ポール・エルデシュ

  • カール・フリードリヒ・ガウス

このほかにも、松崎はいろんな数学者を紹介するツイートをしています。こちらのページにまとめているのでごらんになってください。
@yurimatsuzaki_nの自選ツイート傑作選(随時更新)

「女性数学者はおらんのか」とお怒りの男性読者のために、きら星のごとき美人数学者たちをご紹介。お好みの美女のファンになってくださいませ。

数学者を好きになれれば、数学を好きになるまでもう一歩です。「好きなひとが好きなものは好き」という法則があるから(その逆は「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」)。

2,数学=言語と考える

数学を好きになりはじめたけど、数式はまだきらい。
そんな文系さんは、「数学=言語」であると考えると楽になれるでしょう。松崎はずうっと、数学ってことばなんだと思っていますよ。

  • 『5まで数える』拙作です。
    「数学=言語」をエンタメに落としこんだ作品。主人公の少年は失算症ですが、彼のもとにあらわれた数学者の幽霊はなんと数をいっさいつかわずに無限の概念を教えてくれます。
  • 『パズルランドのアリス』レイモンド・スマリヤン
    いわゆる論理パズルの本。数式は出てきませんがこれはりっぱな数学です。アリスの物語を借りた語り口がたくみで、一問また一問と解いていくうちいつのまにか頭をひねってうんうん考える楽しみにはまります。時間を忘れるので要注意。ところでルイス・キャロルの正体はオックスフォードの数学者だというのはご存じですか。
    スマリヤンはほかにも論理パズルの本をたくさん出しています。どれもはずれがないので、本書が気に入ったらぜひチャレンジしてみてください。

3,いっそ文学からアプローチ

そうですルイス・キャロルは数学者なんですよ。
数学はきらいでも、キャロルの作品は好きだ、それどころか大ファンだという方はたくさんいるはず。
じつはキャロルの文学作品にはあちこちに数学がひそんでいます。その秘密を、数学者が解き明かしてくださったのがこの本。

『ルイス・キャロル解読 不思議の国の数学ばなし』細井勉

まえがきによれば、こんな執筆方針なのだそうです。
「キャロル作品の邦訳は、英文学や英語学の専門家が訳している。よってキャロルの数学的精神が感じられない訳になっているし、数学的誤訳もみられる。本書では言葉あそび部分をむりに日本語に置き換えることをやめ、註をたくさんつけた」(大意)

たとえば、いちばん有名な『不思議の国のアリス』(Project Gutenberg のサイトへとびます)にはこんな解説が。
「Caterpillar によるヒント ” One side will make you grow taller, and the other side will make you grow shorter.” この side は多角形の <辺> という意味で、キノコのような丸いものには使わない。だからアリスは混乱する。このシーンのおもしろさは数学用語を知ってはじめて理解できる」(大意)

15. Alice meets the Caterpillar

(画像は Project Gutenberg より)

本書に収録されたキャロルの数学作品「こんがらがった話」A Tangled Tale、「枕辺の数学問題集」Pillow Problems の全訳はたいそう素直でわかりやすいです。また「この問題は良問」「この問題は条件があいまい」など数学的な評価がついているのが類書にはない特徴。
ところで A Tangled Tale(Project Gutenberg のサイトへとびます)は、上で紹介したスマリヤン『パズルランドのアリス』を気に入ったひとはぜったい好きになるはず。本家キャロルの語りの魔術をぜひご堪能ください。

キャロルファンの方は、本書を座右に置いて作品を読み直してみて。きっと新たなおもしろさを発見できるはずです。

4,数学が好きなひとは、数学のどんなところが好きなのか

ではこのあたりで、数学が好きなひとの頭のなかをのぞいてみましょう。

  • 『数学のロマンが詰まった 夜も眠れないほど面白い18の数学エピソード ロマンティック数学ナイト』ロマンティック数学ナイト運営委員会

    ロマンティック数学ナイトとは、数学が好きで好きでたまらないひとが、その「好き」をプレゼンするイベント。与えられた時間はひとりあたりたった8分なのでひじょうにコンパクトです。本書はその書籍化。「数学って、こんなところから入ってもいいんだ」とあらためて感動します。
    なかでも松崎が仰天したのは、ゼータ関数が好きすぎてゼータ関数のケーキをつくっちゃった辻順平(tsujimotter)さん。クックパッドにレシピが載ってることも、「つくれぽ」がたくさん投稿されていることも驚きでした。
    また、本書のなかで鯵坂もっちょさんが、

    「数学得意だし好き」「数学苦手なので嫌い」 はわかるし「数学得意だけど嫌い」もいそうだけど、「数学苦手だけど好き」という人の存在は見過ごされている気がします。

    と指摘されてました(強調は松崎による)。これ、たいそうだいじなことだと思います。

    2X2分割表

    まずは 「数学苦手だけど好き」(黄色)カテゴリへ入りましょう。そうなれば、「数学得意で好き」(オレンジ)へはひょいと一段あがればいいだけ。「数学苦手できらい」(灰色)よりはずっと近道、いややっぱり遠回りかな。でもおもしろいからいいや、と割り切っていただければ幸いです。

  • 『数学クラスタが集まって本気で大喜利してみた 』
    Twitterの数学だいすき集団「数学を愛する会」(通称・数学クラスタ)のツイートから生まれた本。会長のいっくんは2001年生まれ。なんと、若いなあ。

    この本を通じて、無数の答えがある数学の面白さが少しでも伝わったなら幸いです。

    (強調は原文ママ)

    「お題」のページをみて、「答え」を考えてみてください。
    すぐに「答え」を見たいという方は、そのままページをめくっていただいても大丈夫です。見るだけでも楽しめます

    (強調は松崎による)

    そうです見るだけでもいいんですよ。数学って、芸術やエンタメ作品のように鑑賞していいものだと思います。
    「ん、なぜ鑑賞。なにを鑑賞するの」と疑問を抱いたひとは、版元ドットコムさんで公開されている「ケーキを三等分せよ」のサンプル画像をごらんください。
    その発想力の豊かさに度肝を抜かれることでしょう。
    松崎が爆笑したのは「問8 大定理でくだらないことを証明せよ」。四国の地図を塗り分ける証明にわざわざ四色定理をつかうとか、ほんっとに(いい意味で)くだらなさすぎ。最高です。
    本書からはこんなメッセージがつたわってきます。

    数学は自由だ

5,「数学まだ苦手だけど、好き」になったらぜひ読んで

さてここからは、松崎渾身の推し数学書をびしびし紹介していきます。かなり高度な内容も含まれますが、すでに数学が好きになったあなたならきっと楽しんでくれるはず。

  • 『数術師伝説』木村俊一
    松崎のいちおし。もうなんども読み返しています。
    著者は現役の数学者。読んでいると「なんで数学者なのにこんなにおもしろい本が書けるんだーやっぱり天はひとに二物をあたえるのか」と身もだえしたくなるような良書です。
    なお文庫化していますが、タイトルが無難なものに変更されています。オリジナルタイトルのほうがかっこいいのでぜひこちらで。
    木村先生の本はスマリヤンと同様にはずれがないので、本書が気に入ったらほかの本も試してみてください。このかたの特徴は、数学がわからないことを全力で肯定しているところ。「数学は、わからないからおもしろい。これがわれわれの新しい公理だ」(大意)。どうです安心しましたか。
  • 『ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」』ドキアディス
    難問にとりくむ数学者の姿がとにかくリアル。
    ゴールドバッハの予想じたいは小学生でもわかるシンプルな内容なのでご安心を。
    ミステリタッチでページをめくる手がとまりません。また、背景となるギリシャの家族の絆描写がすてき。
    ラマヌジャンがちらっと登場してたいそう深いことをいいます。お楽しみに。
  • 『フェルマーの最終定理』サイモン・シン
    史実・資料系です。
    内容説明、目次、著者と訳者紹介 
    翻訳は青木薫さんなので盤石です。同著者・訳者コンビの『暗号解読』もおすすめ。
  • 『ファウンデーションへの序曲』アイザック・アシモフ
    超つよい数学者と超つよい美女コンビが大活躍するアクションSFエンタメ。
    アシモフの研究者としての本業は生化学ですが数学が好きで、数学者の描写はものすごくしっかりしています。
  • 『はじめまして数学』吉田武
    数学の本質的おもしろさが味わえる本。
    子供むけのようにみえてじつは高度な内容をあつかっており、数学を好きになりはじめたあなたの知識欲を満足させてくれるでしょう。
  • 『寿司 虚空編』小林銅蟲
    漫画です。著者の小林さんは「ロマンティック数学ナイト」にも登場。
    数学まんがといえば天才的素質を秘めた少年の成長物語がド定番だけど、これは寿司屋を舞台に職人たちがたんたんと巨大数をかたるという(よい意味で)たいへん変な作品。巨大数を「やる」と表現するあたりがマニアックというかプロっぽい。
    数学部分はとちゅうでついていけなくなるかもしれないけど、わからなくても読み進められます。わからないまま読み終わったらもういちど読みましょう。なんどでも読めます。そのくらいおもしろいです。
    作中でのいちばんの名言は「親方! 数学以外のすべてが間違ってます!」だと思います。それと店で出している日本酒「かんとる」を飲んでみたい。
    なお、作中に登場する巨大数研究者フィッシュ氏の著作『巨大数論』は、なんと電子版が無料公開されています。太っ腹です。ありがたく読ませていただきましょう。
  • 「ひとを惹きつけてやまないもの」(『イヴの末裔たちの明日』収録)拙作
    ひとを惹きつけてやまないもの

    中篇。本のはんぶんくらいを占めます。
    19世紀のトレジャーハンターと21世紀の数学者が、たまたま同じ名前の謎の解明にとりつかれます。謎には莫大な賞金がかかっているところも同じ。


    サイモン・シン『フェルマーの最終定理』『暗号解読』がおもしろいと思ったら読んでみてほしい作品。フェルマーの最終定理の続編ともいえる「ビール予想」の証明にとりくむ数学者の物語。並行して、「ビール暗号」という同じ名前の謎に挑むトレジャーハンターの物語が進みます。埋蔵金ずきな方にもおすすめ。
    東京創元社のサイトで前半部分を試し読みできます。もとが長いのでけっこうな分量がありますよ。
  • 『1つの定理を証明する99の方法』オーディング
    1つの定理を証明する99の方法

    ハードカバーでとにかく重いのが唯一の難点。電子版はありません。


    ようするにレイモン・クノー『文体練習』の数学バージョン。
    そもそもクノーはアマチュア数学者だったりします。
    本書では、とくにこれといって特徴のない三次方程式
     x^3-6x^2+11x-6=2x-2
    の解が1と4であることを99通りの方法で証明。あ、じっさいには「0 省略された」があるので100通りです。
    ある命題や定理の証明方法はひとつではありません。たとえばピタゴラスの定理の証明は100種類以上が知られています。
    本書によればすでに先行作品がいくつかありまして、たとえば “Rationnel mon Q : 65 exercices de style” は√2が無理数であることのありとあらゆる証明を載せています。
    さて本書の内容。リンク先からもくじをみていただきたいのですが、とにかく多彩。「10 言葉抜きの」は図解のみ、「26 聴覚による」は楽譜だし、「29 模型による」ではじっさいに模型をつくってしまう(「ゼータ関数のケーキ」みたい)。「50 色による」のページはもちろんフルカラー。
    なお、松崎のいちばんのお気に入りは「94 権威に寄りかかった」。寄りかかり先は、史上もっとも多作な数学者であるレオンハルト・オイラー。彼の全集はまだ刊行が終了していないので、「オイラーの結果により正しい」とすればだれにもつっこまれません。

    この本に挙げられている例を追ってページをめくり、少し手を止めて、自分の感覚に良くも悪くもひっかかった証明をしげしげと眺め、まったく引っかかりのない例は気楽にスルーするだけでもかまわない。

    (著者によるまえがきより)

    読者のみなさんには、どうか数学のさまざまな手触りを楽しまれますように。

    (訳者の冨長星さんによるあとがきより)

  • 『数学者たちの黒板』ワイン
    すぐ上で紹介した『1つの定理を証明する99の方法』を気に入った方はぜひどうぞ。
    アラン・コンヌのような大御所から大学院生まで、109人の数学者が書いた(描いた)黒板を被写体とした写真集。その数学者が数学と黒板への思いを熱く語るエッセイつき。
    エッセイ部分を読んでいると、なぜ数学者がプレゼンソフトでもホワイトボードでもなく黒板を好むのかがわかってきます。
    プレゼンソフトは、人間の理解のスピードにたいし情報を提示するスピードが速すぎるから。黒板だとどうしても書く速さに制限されるので、そのあいだに聴衆の理解が追いつくのです。
    ホワイトボードは、これは好みの問題かもしれませんね。「醜い」「マーカーのインクがくさい」「マーカーがしばしばかすれて読みにくい」「黒板やチョークのような手触りがない」等の意見がみられました。
    とにかく、この題材を選んだ写真家さんのセンスに脱帽。それと、ていねいな仕事ぶりが透けてみえる労作です。数学者の黒板を撮るには研究所へ出向き、ひとりひとりとじかに会って撮影意図を説明せねばなりません。読んでいるうちに、まったく傾向がちがうんだけど『おべんとうの時間』を思い出しました。
    数式の意味がわからずとも眺めているだけでインスピレーションを刺激されます。松崎がいちばん気に入ったのは Nancy Hingston さんの黒板。プリンストン大学出版局の本書紹介ページから画像をみられます。

    この黒板に書かれたメッセージが瓶に入れられて届けられれば、はるか彼方の銀河か、あるいは、別の宇宙に住む数学者は、きっと理解するだろう。(中略)読者には、このメッセージに対して、適切な返信を下書きしてもらいたい。

    (強調は松崎による)

    さあどうする、問題だされちゃいましたよ。しかもエイリアン数学者になりきって手紙の返事を書くという超難問です。

 

こうやってならべてみると、なんとも役に立たない数学書ばっかり。
『いますぐ使えるビジネス数学』『5分でわかるやりなおし数学』(架空のタイトルです)みたいな本が一冊も入っていないとは。
でもご安心を。ひとたび好きになれば「得意」まではすぐですよ。

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再掲します。まわり道のようですがこっちのほうが楽で、なによりおもしろいですよ。

なお、上でご提案した「とりあえず好きな方向から入ってみる」というのは、あらゆる苦手なものを克服するときに使えます。ぜひ試してみてください。

6,それでもやっぱり「数学が役に立つ」証拠がほしいあなたへ

ええ、わかります。気持ちはよくわかりますとも。
せっかく時間をかけてとりくむのだから、生きていくうえでなにかの役に立ってほしいですよね。
そんなあなたにはこの本を。

  • 『ゾンビ対数学』コリン・アダムズ
    2019年日本タイトルだけ大賞受賞。翻訳は小谷太郎さん。この二点だけで、本書がどれほどおもしろいかは見当がつくでしょう。
    微積分を駆使してゾンビアウトブレイクを生きのびるさまをストーリー仕立てで描いています。どうです、数学をつかえばゾンビから逃げ切れるんですよ。これほど数学が役に立つシチュエーションがほかにあるでしょうか。
    また、あなた自身を説得するだけでなく、「数学なんていったいなんの役に立つの」と問い詰めてくる知人にも本書をご紹介ください。
    なお本書の白眉は、ゾンビファンのあいだでつねづね議論になっている「ゾンビ大発生により動かない車でいっぱいになった道路をどのように通るのか問題」に斬新な解を与えたところだと個人的に思っております。

 

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この本ですよ。

『5まで数える』カバー

出版社 筑摩書房
発売日 2017/6/8
単行本、四六判 264ページ
定価 1600円(税別)
装丁 アルビレオ
カバー 上田よう

●六冊目の単行本にして初のホラー短編集となりました。多様な舞台、いろんなテイストのお話が詰まっております。短編アンソロジーの好きな方におすすめです。電子版もあります(kindle楽天kobo、iBooks Store、紀伊国屋、hontoなど)。各種端末対応。ちょっと安くて1400円(税別)です。
もくじと作品概要
1、「たとえわれ命死ぬとも」動物実験が禁止されているので、自分の身体で実験するしかないんです ★冒頭試し読み
2、「やつはアル・クシガイだ――疑似科学バスターズ」ゾンビは一体も出てきません ★全文試し読み
3、「バスターズ・ライジング」科学者+奇術師=疑似科学バスターズ。その発足エピソードと、ドーナツ少々 ★冒頭試し読み
4、「砂漠」手錠でつなぎあわされた7人の凶悪少年犯罪者たちが飛行機事故で砂漠に放り出される ★冒頭試し読み
5、「5まで数える」失算症の少年、数学者の幽霊に出会う。モデルとなった数学者は表紙に浮いてます ★冒頭試し読み
6、「超耐水性日焼け止め開発の顛末」研究者二重オチのショートショート
●内容について、くわしくは筑摩書房内特設ページ、および当サイト内特設ページをごらんください。
「本よみうり堂」で朝井リョウさんによる書評が読めます。(公開終了しました)

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