『山手線が転生して加速器になりました。』特設ページ

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山手線が転生して加速器になりました。POP

作成日:2024/08/05 最終更新日:2024/09/11 かいたひと:松崎有理

本書にかんする情報はこのページに集約しています。
今後も更新していきます。

【もくじ】
こんな本です
収録作品の紹介
基本情報
POPなど(自由にご利用ください)
書評など
著者インタビュー
読者さまからのご感想
もっと読みたい方への読書案内

こんな本です

本書表題作雑誌発表時のツイート。

山手線が転生して加速器になりました。説明まんが

まんが形式で本書の世界観を説明してみました。
収録短編すべてがこの世界観を共有しています。
なお、「研究者は白衣を着ている」というイメージは誤解です。じっさいには化学および生物系の研究者が実験中にのみ着用します。白衣とは体を守るものですから。

山手線が転生して加速器になりました。

担当編集者渾身の文庫裏あらすじ(通称・ウラスジ)。

山手線が転生して加速器になりました。

目次です。そう、続編があるんですよ。

 

収録作品の紹介

山手線が転生して加速器になりました。

山手線が転生して加速器になりました。

「おれたちが進めているミューオンリングコライダー計画だが。もし、もしだぞ。もし山手線を転用できたら、世界最大かつ最強の加速器が誕生するんじゃないか」
「その発想はなかった」
「天才。おまえ天才だ。エットーレ・マヨラナ級だ」

未来人観光客がいっこうにやってこない50の理由

未来人がいっこうにやってこない50の理由

ホーキングとはもちろん故スティーヴン・ホーキング博士。
デビュー以来10年以上あたためていた渾身のネタです。

不可能旅行社の冒険――けっして行けない場所へ、お連れします

不可能旅行社の冒険

旅行パンフレットふうのアイキャッチをつくってみました。
不可能な旅行も、長年あたためていたネタです。ようやく作品化できました。

山手線が加速器に転生して一年がすぎました。

表題作の続編、書き下ろしです。タイトルはかつて一世を風靡したあのスパムメールから。でも内容はまったくかんけいありません。

ひとりぼっちの都会人

ひとりぼっちの都会人

主人公は有名シェフですがなぜか絶海の孤島に住み、アバターロボットでリモート料理をしています。そこにはだれにもいえない秘密の事情が。

みんな、どこにいるんだ

みんな、どこにいるんだ

O-SETIは「おせち」ではありません。光学的地球外知的生命探査 Optical SETIの略称です。

総論 経済学者の目からみた人類史

松崎の十八番、架空論文形式。執筆者はなんと、あのひとです。

付録 作中年表

宇宙の誕生から終焉まで。本書を読んでいるさいちゅう、混乱したらこの年表をご参照ください。

基本情報

発行 光文社
文庫判(縦152mm 横105mm 厚さ12mm)
312ページ
定価 780円+税
ISBN 978-4-334-10387-3
発売予定日 2024年8月7日

POPなど(自由にご利用ください)

印刷用PDFもアップしました。いずれも書影を含んでおらず、印刷・配布は自由です。ただし著作権は松崎有理にあります。

書店店頭用通常POP

山手線が転生して加速器になりました。POP
印刷用PDFダウンロードは下のリンクよりどうぞ。
山手線POP印刷用A5サイズ
山手線POP印刷用A3サイズ

書店店頭用POP・著者ごあいさつバージョン

山手線が転生して加速器になりました。POP
印刷用PDFダウンロードは下のリンクよりどうぞ。
山手線POP著者あいさつ印刷用はがきサイズ

使用事例

書評など

書評家の牧眞司さんが『WEB本の雑誌』でいちはやくレビューしてくださいました。(2024/08/19)
【今週はこれを読め! SF編】じつは壮大な人類史・宇宙史が背景に〜松崎有理『山手線が転生して加速器になりました。』

ハードSFというよりも、もっと広範に「理系想像力の小説」と捉えたとき、いまの日本でもっとも前衛・先鋭をきわめているのは、前回この欄で取りあげた新刊短篇集『ムーンシャイン』の著者である円城塔だろう。それと対照的に、オーソドックスなアプローチ(つまり多くの読者が抵抗なく読める文章と小説構成)で、新しい内容(科学的題材においてもテーマ面でも)を取りあげ、コンスタントに新作を送りだしているのが、松崎有理だ。

(強調は引用者による)

著者インタビュー

  • 老舗SFファンサイト「アニマ・ソラリス」にインタビュー記事が載りました。
    かなりつっこんだ裏話をしていますが、ぎりぎりネタバレはしていないはずです。購入前でも楽しめると思います。もちろん読了後にお読みくださるのもきっと楽しいですよ。(2024/08/07)
  • ニュースサイト「ナニヨモ」にインタビュー記事が載りました。
    作品裏話だけでなく、関連するお勧め本の紹介もありますよ。
    購入前のご検討用に、読了後のお楽しみに、ぜひごらんくださいませ。(2024/08/09)

読者さまからのご感想

早速拝読し、読了しました。
今回も面白いですね。
さらに、学術的にも刺激を頂きました。
結構いろんなネタが惜しげもなく投入されていて、驚きました。

「山手線が転生して加速器になりました。」は面白いだけでなく、本当に山手線に記憶を与えることも可能ではないか、と考えさせられました。20年したら再転生しそうですね。

「不可能旅行社の冒険」は、ニューロダイレクトは無理でも、視覚限定で重いですがVRゴーグルでも一定程度再現できるのではないか、たとえば同僚の研究者が開発した4次元デジタル宇宙ビューワーでもできるのでは、と思って当人に確認したところ、「不可能旅行社」のディテイルを再現するのは結構厳しいとのことでした。現時点では、重力レンズの外観の再現までだそうで、中に入って行っての体験は難しいとのことで、残念です。それだけ松崎さんご提案の不可能旅行がすごいということの裏返しではあります。

「一人ぼっちの都会人」では、料理や陶器などの芸術作品に焦点を当ててますね。松崎さんの、いろんなものへの造詣の深さを実感させられました。科学者の責任という点でも、考えさせられました。

しかし、いろんなネタが詰まっていますね。
パンデミックの衝撃が通底しているなかで、宇宙人に未来人に別種の知的生命体にロボットなど、様々なガジェットが詰め込まれていて、これまでのご著書も楽しかったのですが、今回の新刊は、すごいです。
この世界線がどうなっていくのか、続編が読みたいと思いました。

立教大学人工知能科学研究科 特任教授 大庭 弘継先生より。強調は松崎による)

もっと読みたい方への読書案内

本書を気に入ってくださった、すばらしい方へ。
ノンフィクション・フィクションとりまぜて、関連書をご紹介いたします。

本書ぜんたい

本書と似たような味わいの本をお探しなら、以下の拙著がお勧めです。いずれも短篇集です。
(それぞれの本の特設ページへリンクしています)

拙著以外ならまずこれを。

  • 『はだかの太陽』アイザック・アシモフ
    フルリモート型文明を描いた傑作長篇。1956年に執筆されたとは思えない新しさ。かつ、とても読みやすい。エンタメのお手本です。
    お時間のある方は前日譚の『鋼鉄都市』から読むとより楽しめます。
  • 「山手線が転生して加速器になりました。」「山手線が加速器に転生して一年がすぎました。」

    • 『ILC/TOHOKU』
      加速器アンソロジー。国際リニアコライダーが完成した近未来の岩手が舞台。執筆者は野尻抱介、柴田勝家、小川一水と超ゴージャス。三者の個性がよく出ていて読み比べが楽しい。
    • 『神様のパズル』機本伸司
      本書に登場する加速器「むげん」は、その名のとおり無限記号のかたちをしていて、4本のリニアコライダーが中心で交わるというぶっとび設計。しかも空中。電子・陽電子衝突型。リング直径は2キロでさほど大きくないのは、「小型化に成功」したからだそう。このサイズで100TeVならばたしかに夢の加速器。なお衝突中心の真下は50メートルの谷になっていてそこに棚田がある。
      なお、ここに「むげん」っぽい加速器の写真があります。
    • 『ブロックで学ぶ素粒子の世界』ベン・スティル
      素粒子物理学を視覚的に説明した方法としてはたぶんいちばんわかりやすい。それでもけっこう難解。
    • 「惑星Xの憂鬱」(アンソロジー『プロジェクト・シャーロック』収録)
      拙作。これも目の覚めるようなバカSFです。かつ、探査機擬人化もの。

    「未来人観光客がいっこうにやってこない50の理由」

    • 『時間は逆戻りするのか』高水裕一
      タイトルどおりの内容。わかりやすいしおもしろい。時間についての良書。文献リストなし、索引あり。
    • 『輪廻の蛇』ハインライン
      時間SFの金字塔。未読の方は、レビューとかいっさい目に入れずにとにかく読んで。映画版もおすすめ。
    • 『時間旅行者のための基礎知識』リチャード・ゴット
    • 『タイムマシンをつくろう!』ポール・デイヴィス
    • この二冊は少々古い本だけどタイムマシンを知る上で必読。版元はどちらも草思社さんです。

    • 『タイムマシンって実現できる? 』二間瀬敏史監修
      こどもむけとあなどるなかれ。ガチ本格な良書。ディヴィスやリチャード・ゴッドの本の補完+最新情報、といったおもむき。
    • 『タイム・トラベラー』ロナルド・L・マレット
      筆者は黒人物理学者。史上初、現代の技術で実現可能な過去へのタイムマシンをつくったひと。マイノリティであるハンデにまけず、死んだ父に会いたいという一心でここまでたどりついた男のノンフィクション。感動しました。タイムマシンの原理についてもくわしく書かれています。より詳細な情報は原著論文を。
    • 「源内にお願い」(『うなぎばか』収録)倉田タカシ
      うなぎ絶滅を回避するため、タイムマシンで江戸時代にもどり平賀源内を説得してあの有名なコピーを発表しないでもらおうとするお話。
    • 「未来への脱獄」(『イヴの末裔たちの明日』収録)
      拙作。じつはデビュー以来はじめて書いた時間もの。苦労しただけにおもしろい作品にしあがっていると思います。合わせてどうぞ。

    「不可能旅行社の冒険」

    「ひとりぼっちの都会人」

    • 『独裁者の料理人』ヴィトルト・シャブウォフスキ
      著者はポーランド人ジャーナリスト。若いころは料理の仕事をしていたので筆致が正確。なによりテーマが興味深い。登場する独裁者はサダム・フセイン、イディ・アミン、エンヴェル・ホッジャ、フィデル・カストロ、ポル・ポト。料理人の目をつうじて独裁者の素顔を描き出す。取材のていねいさがうかがえる良書。
    • 『南鳥島特別航路』池澤夏樹
      旅行記というより、著者も述べているようにまるで自然地理の実習。それでいて情緒あふれる筆致。南鳥島以外の旅先セレクトも絶妙で、読んでいるとむしょうに旅に出たくなるやばい本。地図あり。モノクロ写真多数あり。

    「みんな、どこにいるんだ」

    • 『タコの心身問題』ピーター・ゴドフリー=スミス
      知人の研究者から勧められた本。タコの知性にかんするたいそうな良書。シドニーダコのコロニーについてくわしい報告を読める。著者は哲学者だがこむずかしさはない。索引、ていねいな原註あり。モノクロおよびカラー写真、図解あり。
    • 『ものと人間の文化史74 蛸』刀禰勇太郎
      おもに日本におけるタコの民俗を扱う。タコ漁についての記述がとてもくわしい。なお筆者はタコの専門家ではない。巻末に参考文献一覧あり。
      法政大学出版局「ものと人間の文化史」シリーズは良書が多いので時間があると興味のむくままに読んでいます。
    • 「死なない蛸」萩原朔太郎(詩集『宿命』収録)
      蛸文学といえばやはりこれ。リンク先の青空文庫で全文よめます。
      なおタコの自食についてはこんな論文をみつけました。これもリンク先から全文よめます。
      Autophagy in Octopus

    「総論 経済学者の目からみた人類史」

    「作中年表」

    • 『銀河帝国の弘法も筆の誤り』田中啓文
      連作短篇集の巻末に作品世界の年表をつけるアイデアはこの本をまねしました。
      「傑作ぞろいだから」と編集者に勧められた本。ほんとに傑作ぞろいで、読了後は「SF分野で自分のやれることはもう残っていないかも」としばらく虚脱していました。

     

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    目の覚めるようなバカSF。
    転生ものの新機軸。

    山手線が転生して加速器になりました。POP

    『山手線が転生して加速器になりました。』

    2020年、世界を未曽有のパンデミックが襲う。
    人類は、密を避けるため都市を捨てる選択をした。
     「東京が無人に?
     じゃあ、山手線を加速器にしちゃおう」
     (注・加速器とは、巨大なリング状の科学実験施設です)
    それから10年が経過した近未来、フルリモートで生きる人類を描く連作短編集。
    ありえたかもしれない、もうひとつのポストコロナ。

    【目次】
    山手線が転生して加速器になりました。
    未来人観光客がいっこうにやってこない50の理由
    不可能旅行社の冒険――けっして行けない場所へ、お連れします
    山手線が加速器に転生して一年がすぎました。(表題作続編)
    ひとりぼっちの都会人
    みんな、どこにいるんだ
    総論 経済学者の目からみた人類史
    付録 作中年表

    発売日 2024年08月07日
    光文社文庫
    ページ数 312p
    ISBN 9784334103873
    定価 858円(税込)

         

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