ウズベキスタンを旅行してみてわかった、ググっても出てこないこと

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サマルカンドのレギスタン広場

作成日:2023/10/15 最終更新日:2023/10/21 かいたひと:松崎有理

2023年10月。コロナ五類へ引き下げ後初の長期海外旅行先として、ウズベキスタンを選びました。理由は、2019年11月のトルコ旅行イスラム建築の美しさに目ざめたから。旅行期間は、ウズベキスタン航空による直行便運行スケジュールの都合で13泊となりました。
例によって、現地通貨とかコンセントの種類とか世界遺産とか、ググればすぐに手に入るような一般的情報は書きません。ウズベキスタンに行ってみたくていろいろ調べているひとにとって、かゆいところに手が届くような内容となっていれば幸いです。
なお、同じイスラム文化圏+チュルク語族であるトルコの記事も合わせて読むとより理解が深まります。

★この記事の情報は2023年10月時点のものです。現地の状況は刻一刻と変わっていきます。旅行の前にご自身で最新情報をご確認ください。

【もくじ】
ウズベキスタンQ&A
旅の準備
 おすすめルート
 移動手段(空路、陸路)
 もちもの・服装など
地域別情報
 博物館都市ヒヴァ(世界遺産)
 宗教都市ブハラ(世界遺産)
 青の都サマルカンド(世界遺産)
そのほか、ウズベキスタンのプチ情報
有用な参考資料
おすすめウズベク語学習法

ウズベキスタンQ&A

日本においては知名度の低い国、ウズベキスタン。渡航前に松崎がばくぜんと抱いていた(たぶんみなさんも抱くであろう)疑問に、渡航後の松崎が答えます。

Q スタン系国家でしょ、安全なの

A とても安全です。もしかしたら日本以上に。
「アフガニスタンにも近いし、なんか危なそう」というイメージを持っているかもしれません。しかし旅行者も在住者も口をそろえて「現地は安全」といいます。松崎もじっさい滞在してみて、「いままで訪れた十数か国のうちでいちばん安全かも」と感じました。なにせ周囲は善人まるだしのひとなつっこいウズベク人と天使のごときその子どもたちばかり。iPhoneや旅行ガイドブックをむきだしで持ち歩いていてもまったく危険を感じないのは奇跡です。
とはいえ、混雑する観光名所やバザールでは基本的スリ対策をしましょうね。とくにパスポートは、当地ではつねに携帯を義務づけられているので扱いは慎重に。

Q トイレ事情は

A ほぼどこでも有料です。
有料施設内のトイレであってもようしゃなく料金をとります。2000〜3000スム、日本円にすれば数十円なので金額的にたいしたことはないのですが、いざというときあわてないよう小額紙幣を常備しましょう。ペーパーはたいていありますが硬くてごわごわです。便座もたいていついていますが大きめなので小柄なひとは注意。なお当地ではペーパーを流してはいけません。よって「流せるトイレクリーナー」のたぐいは不要といいますかオーバースペックです。たまに断水で水を流せないことがあります。洋式とイスラム式が混在しています。

Q 宗教施設のドレスコードは

A あります。


女性のばあい、ストールやフードつきローブのようなものを入口で貸してもらえます。なお市街地においても、太股や肩をむき出しで歩いている現地女性はいないので、過度な露出はやめておいたほうが無難です。

Q お酒のめるの

A のめます。
むかしソビエト連邦だったせいか、飲酒にかんしてはトルコよりもさらに寛容だと感じました。トルコでは酒販専門店に行く必要がありますが、ウズベキスタンでは過半数のスーパーマーケットでアルコール飲料を扱っています。
また、多くのレストランが酒類を出します。メニューに載っていなくても「お酒ありますか」と質問すると出てきたりします。大衆食堂では出さないところが多い印象でした。
国産ビールは種類豊富でおいしく、しかも安い。1.5リットルとか目をむくような大容量のペットボトルが売られています。どうやら500mL缶ではぜんぜん足りないようです。

ウズベキスタンのビッグなビール

これはたしか1.2リットルのビール。


ワインも国産がありますが味が独特で評価が割れそうです。

Q 親日ってほんと

A おおむねほんとうです。
街を歩いているとひんぱんに「日本人ですか」と日本語で話しかけられます。サマルカンドの外語大には日本語学科があって日本語を学ぶ人は一定数います。日本への渡航経験があって日本語に堪能なひともいます。かれらは会話の練習がしたいので、時間が許せばおしゃべりしましょう。
また「どこからきたの」「韓国からですか」とも質問されます。後者の質問は、ウズベキスタンは歴史的に韓国とのつながりが深いためです。日本からですよと答えるととてもうれしそうなリアクションをします。もっとも、ウズベク人はそもそもひとなつっこい性格なのでどの国のひとにたいしても同じ態度なのかもしれません。

Q クレカ使えるの

A 想定よりもずっと使えました。
「クレカはほぼ使えない。キャッシングも、紙幣切れや機械の故障でうまくいかない。USドルがふつうに流通している」が松崎の渡航前調査の結果でしたが、いい意味で大きく裏切られました。中級以上のレストランでは多くがカードに対応。キャッシングも、あっけないほどかんたんでした。また後述するタクシー配車アプリYandex Goでは現地通貨スム払いしかうけつけないので、けっきょくドルは宿泊施設と一部の土産物店でしか使いませんでした。でも新札のドル紙幣は喜ばれます。「日本からはるばる持ってきたんですよ」というとさらに喜ばれるかも。

Q 無線LAN使えるの

A あまり期待しない方がいいでしょう。
ホテルによっては通信が安定していませんでした。現地SIMカードは必須だと思います。安いし、空港での手続きもかんたんです。

Q 英語通じるの

A 想定よりもずっと通じました。
「英語はぜんぜん通じない」が松崎の渡航前調査の結果。必死でウズベク語とロシア語をつめこんで現地入りしましたが杞憂でした。ホテル、観光地、中級以上のレストランでは意思疎通には困りません。
とはいえ、大衆食堂など地元むけの店では英語をひとことも解さない人が大半。ウズベク語またはロシア語の基本は学んでおいたほうがスムーズです。この記事の下のほうで、おすすめウズベク語勉強法をご紹介いたします。

Q 買い物っていちいち値段交渉するんだよね

A スーパーや食堂では、しません。バザールや土産物店では、します。
とはいえ物価がやすく、値切りに成功してもせいぜい数百円の差。現地のひとと交流するアクティビティの一種くらいに考えて気楽にかまえましょう。通貨換算アプリがあると便利です。

旅の準備

飛行機・鉄道・宿泊施設とも、オンシーズンにはすごい勢いで予約が埋まってしまいます。だから、ウズベキスタンに行くときめたらなるべく早く予定を立ててください。45日前までにはすべてきめておくのがよいでしょう。

おすすめルート

広い国内をどうまわるかは悩みどころ。王道ではありますが松崎は、
 タシュケントIN→ヒヴァ→ブハラ→サマルカンド→タシュケントOUT
をお勧めしておきます。逆まわりだと「だんだんしょぼくなっていく……」という印象を抱いてしまいそうなので。

移動手段

空路

  • ウズベキスタンまでの国際線
    ソウル経由の大韓航空が便数も多く便利ですが、じつはウズベキスタン航空による直行便があります。行きは金曜日、帰りは木曜日と固定されてしまうのがネック。それでも松崎はこれを使いましたよ。だって楽なんだもん直行便。
    チケット購入はウズベキスタン航空公式サイトから。GoogleやFacebookのアカウントでログインしておくと便利です。ただしウズベク語・ロシア語・英語のみ対応。しかもエコノミー席の価格がいろいろあるのに、サービスがどうちがっているのかまったくわかりませんでした。よって松崎はBooking.comを通して購入。なお手配されたチケットでは機内持ち込み荷物は1個のみ(つまり「手回り品」というカテゴリが許されない)、預け入れ荷物には100ユーロが別途かかりました。予約をひとまかせにするのも考えものです。
    チケットはかなり早くから購入できますが、座席指定ができるのは45日前から。機体はボーイン787-800で3−3−3配列、シートピッチは31-32インチ。身長160センチの松崎はとくに狭さを感じませんでした。
    オンラインチェックインは、日本人はできません
  • 国内線
    いっそう予約がとりにくいようです。松崎は二ヶ月前には動き出しましたが、それでもタシュケント→ヒヴァ間はビジネスクラスしか空いていませんでした。とはいえウズベキスタンの国内線運賃は日本人基準からみると格安で、ビジネスであっても日系エアラインの国内線エコノミー運賃と同程度です。楽しい海外旅行なのですからちょっと奮発するのもいいのでは。とはいえ、優先搭乗などいかにもビジネスクラスらしいサービスは期待できないのですけど。

陸路

  • ウズベキスタン鉄道
    ここもまた、激しい予約争奪戦がくりひろげられる戦場です。くわしくは『地球の歩き方』特派員・伊藤卓巳さんのブログをみてほしいのですが、予約解禁である乗車日の45日前になったとたん、すべての座席が埋まるような状況。松崎はタシュケント→ヒヴァ間を寝台列車で移動するつもりだったのに、まったく席をとれなかったので空路に切り替えました。なお、伊藤さんのブログ中にある「乗車日直前にいきなり空席が出る」との記述はほんとうです。松崎の観測ではだいたい5日前になると空席がごそっとあらわれました。
    公式サイトからのオンライン予約・支払い自体はとてもかんたん。ときどきサイトの挙動がおかしいときがありますがなんどか再読み込みすると正常になります。


    松崎はヒヴァ→ブハラ間を三等寝台で移動しました。昼ひなかの7時間、エアコンなし。10月はじめでもかなり暑くて地味に体力を削られました。窓は開けられますが砂が入ってきます。予約のさいは列車の向きや時間帯を考慮して、日差しが直接あたらない席を選ぶといいでしょう。

  • タクシー配車アプリYandex Go
    ほんとうに便利。これなしではウズベキスタン旅行は成立しないくらいです。登録するさいSMS認証があるので日本でやっていきたいな、と思うでしょうが少々こつがいります。詳細はリンク先をごらんください。なお2023年10月時点では、このアプリはヒヴァでは使えませんでした。ではどうするかっていうと、タクシー運転手と昔ながらの価格交渉をするのですよ。

もちもの・服装など

ウズベキスタンの気候は「ほぼ砂漠」と思っておくくらいでちょうどいいです。とにかく湿度が低く、日本の湿潤な空気に慣れたやわな皮膚はあっというまにダメージをくらいます。
以下に、松崎がじっさいに持っていって便利だったもの、持っていかなかったけど持っていけばよかったと切実に後悔したものをリストアップします。

  • つばつき帽子またはサングラス とにかく日差しが強烈。ちょっとさえぎっただけで快適度がぜんぜんちがいます。松崎は現地で買うつもりでしたが、ウズベキスタンの帽子はなぜだかつばのないものばっかりで。
  • 日焼け止め 必須。日中なんども塗り直すので100mLのボトルが二週間で一本空きました。
  • そのほか肌の乾燥対策グッズ ワセリンを塗ってぴっちり肌を覆ってしまうのが有効です。
  • ウェットティッシュ Q&Aコーナーでも書きましたが、基本的にトイレで紙を流せません。よって溶けるタイプのウェットティッシュは持っていっても意味がありません。ウズベキスタンでは断水で手を洗えないことがあるし、レストランでもけっしておしぼりが出てこないので、食事のさいは持参したウェットティッシュで手をふいていました。
  • 女性のばあいストール Q&Aコーナーで書いたとおり宗教施設で使います。かつ、日差しや朝晩の冷えこみにも対応できます。
  • 服装全般について 脱ぎ着のできるものを。天気アプリなどで旅行直前のウズベキスタンの最高気温と最低気温を調べると、どのていどの重ね着が必要か判断しやすくなります。なお衣類は砂だらけになるので気軽に洗濯できるものを持っていきましょう。
    サマルカンドの天気

    これは10月中旬〜下旬の予報。サマルカンドもずいぶん涼しくなったなあ。10月上旬は最高気温が30度ちかい日もありました。なお経験的にいちばん暑いのはブハラ、つぎがサマルカンド。ヒヴァがもっとも涼しかった。

  • 足もとについて 革靴は傷だらけになるのでお勧めしません。サンダルも(たぶん)砂が入るのでお勧めしません。
  • 使い慣れた胃腸薬 水道水を飲んだり、果物を食べすぎたりするとお腹をこわすそうです。下痢止めと整腸剤の両方を持参しましょう。

  • 現金 念のためおおめにドル紙幣を持っていったのですが、どこでもスムをキャッシングできるのでほぼ不要でした。それと、日本円にまず出番はありません。

地域別情報

博物館都市ヒヴァ(世界遺産)

矩形の城壁「イチャンカラ」にかこまれた街。端から端までせいぜい600メートルほどしかなく、すべて徒歩でまわって観光できます。
博物館都市という二つ名の由来は、当時のようすをよく保存しているから。ウズベキスタンではじめて世界遺産認定された街でもあります。
松崎にとってのウズベキスタン観光のメインはサマルカンドだったはずなのですが、調べているうちにだんだんヒヴァに愛着がわいてきて、訪れてみたらやっぱりすてきで印象的な街でした。

カルタミノル

ヒヴァといえばなんといってもカルタミノル。街のどこからでもみえます。ずんぐりむっくりできれいな模様がたくさんついててかわいい。

ここにしかないおみやげ 

  • キャメルウール製品 いわゆる「らくだのももひき/腹巻き/靴下」が買えます。完全にヒヴァ限定。
  • 手編み靴下 いろんな模様のかわいい靴下が数百円で買えます。松崎も買いました。コットン製で通気性がよいです。
  • ゾロアスター(?)シンボルグッズ ヒヴァの建物はしばしば青い三角形をふたつくっつけた形のタイルで飾られています。お土産屋さんいわく「ゾロアスター教のシンボルだ」とのことですがほんとうかどうかは未確認。
    ヒヴァの壁

    お土産屋のおじさんはこれを「ゾロアスターのシンボル」というのですけれど。

  • ノンスタンプ 正式名称は「ティケッチ」。ブハラやサマルカンドでもあるにはありますが、ヒヴァほど種類豊富で安くはありません。でも買って帰ったからといって使いみちに困るような。旅の同行者は「豆腐に醤油をしみこませやすくするため穴をあける」といってました。

おすすめ宿

 
ヒヴァには古いメドレセ(神学校)をリノベーションしたホテルがたくさんあります。たぶんいちばん有名なのは、『地球の歩き方』にも載っているOrient Star Khiva。しかしやはり人気で、連泊ができなかったので松崎はほかのメドレセ改装ホテルを探しました。たとえば、
New Star Boutique hotel
Feruzkhan Hotel – Madrassah Mohammed Rakhim Khan 1871
最終的に予約したのは、
Caravan Sarai

メドレセ改装ホテル平面図

ホテルCaravan Saraiの受付に貼られていた平面図。当時の建物がほぼそのままであることがよくわかります。


朝食をとるホールの天井が美しく、まいあさ入るたびため息が出ました。また中庭にチャイハナスタイルの席がもうけられていてのんびりできます。
建物もさることながら、

  • 立地がよい。イチャンカラ西門を出てすぐの場所で観光に便利。北へ200メートルも歩くとGastronomというスーパーマーケットがあって酒も買える。このスーパー入口にあるマシンでキャッシングもできる
  • 朝食がおいしい。とくに卵料理が絶品。まいあさバクラヴァ(後述)が出てくるのも高得点。しかもビュッフェ形式なので好きなものを好きなだけ食べられる
  • 受付に相談すると両替屋を呼んでくれる。日曜や祝日に便利
  • 受付のひとがとても親切
  • 受付でビールを売ってくれる

などなどきりがありません。欠点といったらバスタブがないことくらいでしょうか。
なお、ヒヴァには古民家を改装した宿泊施設もあります。イチャンカラ内を歩いているとときどきみつかります。これもおもしろそうです。

おすすめレストラン

『地球の歩き方』に載っているような有名レストランは予約でいっぱいで断られることがあります。しかし、テラッサ・カフェはなんと建物がみっつもあって、たいていどこかには席をとれます。テラス席で夕陽に照らされるヒヴァの街並をみながらとるディナーは最高です。生演奏もあります。

時間がちょっと空いたとき試してほしい廉価なアクティビティ

  • 猫と遊ぶ 経験上、いちばん猫と触れあえる街。下のツイートはヒヴァでしました。

  • 壁の外を歩く とくに東門〜南門にかけて。だれもいないので砂漠ひとりじめ気分が味わえます。
    ヒヴァ、イチャンカラの外

    無人の砂漠、そびえる城壁。ここがオアシス都市だということがよくわかります。

宗教都市ブハラ(世界遺産)

こちらも、だいたい徒歩で回れる街です。メドレセ、そしてタキとよばれるバザール跡が特徴的。ヒヴァに比べると土産物のデザインはかなり洗練された感じがします。

ここにしかないおみやげ

  • こうのとりハサミ ヒヴァではちらっと、サマルカンドではまったくみません。買うつもりならここで
  • ストール類のデザインがいい 松崎はブハラで2枚も買ってしまいました。

ノンがうまい

ウズベキスタンのノンは地方によって顕著な特徴があります。たとえばヒヴァは生地が薄めでスタンプいっぱい、サマルカンドは分厚くずっしり。ここブハラのノンは軽くて小麦の味がしっかりわかって、松崎にとってはいちばん好みでした。宿のそばにあるノン専門スタンドで買ったせいかもしれません。

プロフがうまい

ウズベキスタンの国民的メニュー、プロフにも地方でバリエーションがあります。ブハラのプロフは比較的あっさりしており、レーズンなどが入っています。
プロフを食べるならその名もThe Plovをお勧めします。かんぜんに地元向けのレストランで、テーブルは空いているのを自分でみつけて早いもの勝ちで座るという難易度高いスタイル。でもウズベク人たちは親切ですから、ガイジンが困っていると助けてくれます。それとポーションあたりの量が多いので注意。0.7ポーションでじゅうぶんだと思います。

宿泊

ブハラもメドレセリノベホテルが多い街。松崎が泊まったのはAmulet Hotel。部屋は二階だったのですが、この二階にテラスがあってそこにあるチャイハナ席を自由につかっていいのです。


ほぼ毎日、お菓子やらビールやらを持ちこんで数時間もだらだらしていたので、お掃除のひとがひそかに困っていたかもしれません。ごめんなさい。
なお朝食も絶品。ノンやジャムやハムといった冷たい料理に加え、かならずあたたかい料理が二品出ます。デザートにはメロンと日替わりケーキ。だいすきなバクラヴァが出たときには思わず躍り上がってしまいました。


バスタブがあります。でも栓がないので、ビニール袋に水を詰めて栓がわりにする裏技をつかいましょう。
なおこの宿、キジバト夫妻とスズメ夫妻が常駐しております。鳥ずきにも最適です。

時間がちょっと空いたとき試してほしい廉価なアクティビティ

  • ラビハウズでがちょうに餌をやる ブハラ観光の中心、ラビハウズの池にはがちょうが10羽ほどとあひる1羽とバリケン1羽がいます。このがちょうたちにノンや街路樹の葉っぱ(!)をあげている地元のおじさんがいました。たぶん真似しても怒られないと思います。

青の都サマルカンド(世界遺産)

大都会です。そして広い。こんな街こそわれらがYandex Goの出番です。日本円にすると数百円で市内のどこにでも連れていってもらえます。タクシー以外の交通手段については後述。

宿泊

高級ホテルがたくさんあるので選び放題ですが、松崎はいつものようにレンタルアパート。サマルカンドでは6泊するので、外食つづきとなるホテルではきついのです。


泊まったのは、
Back in 1908.
一棟貸しアパートメント。オーナーさんは古いものをだいじにするひとで、リノベーションの仕上がりにその精神がうかがわれます。またたいへんなきれい好き。チェックイン前の清掃にはなんと4時間かけるそう。ウズベキスタンでは例外的ですがトイレに紙を流せるのも賞賛ポイント。わざわざ柔らかい紙を選んでいるのだとか。ものすごく使いやすい洗濯機もあります。砂でよごれた衣類もあっというまにきれいになります。松崎はまいにち使っていました。
唯一の難点は立地。観光名所からはやや遠め。でもYandexをつかえばなんの問題もありません。

インフォメーションセンターを使い倒そう

イスラム・カリモフ通りのまんなかあたりに、『地球の歩き方』特派員の伊藤さんが(ほぼ)常駐するインフォメーションセンターがあって日本人観光客の強い味方です。マニアックなミニツアー、両替、荷物あずかりなど、旅行者が喜ぶツボをおさえたサービスがいろいろ。立ち寄っておしゃべりするだけでもどうぞ。

時間がちょっと空いたとき試してほしい廉価なアクティビティ

  • トラムに乗る サマルカンドにはウズベキスタン唯一のトラムがあります。わかりやすいのはシヨブバザールとサマルカンド駅をむすぶ2番線。20分おき出発、片道およそ20分ですので一時間あれば往復できます。片道あたりたった2000スムで、お金は乗ってしばらくしてからまわってくる車掌(でも私服)にわたします。なおサマルカンド駅のそばにはローカルなバザールがあって、シヨブバザールに比べると売りこみがうるさくないのでゆっくり見て回れます。
  • ダニエル廟 無料エリアには公園がひろがっていて、小川にはあひるが30羽ほどいます。前日のレストランで食べ残したノンなどをおみやげにして遊びにいきましょう。なおこの公園にはトイレ、売店、四阿があるので休憩にはもってこいです。
  • 電気自動車に乗る イスラム・カリモフ通りを行ったりきたりしています。乗車賃が車両によってびみょうにちがっていて、おおむね3000〜5000スムくらい。最後部の席がスリリングでおすすめ。

そのほか、ウズベキスタンのプチ情報

動物にやさしい国

トルコもそうだったけど、ここでも猫、犬、鳥がだいじにされています。

メロンとスイカ

ほんとにおいしい。キッチンつきアパートメントに泊まるひとはぜひ試して。皮は意外に柔らかく、小さめのナイフでもさくさくカットできます。

クルト

遊牧民の保存食。とてもしょっぱくてすっぱい。観光客にとっては「チャレンジ郷土食」のカテゴリだと思います。

白いシボレーばっかりの謎

これはアパートメントのオーナーさんにきいた話。シボレーばっかりなのは、ウズベキスタンに工場があるから。外車は100パーセントの税金をかけられるので買えるのは超お金持ちだけ。白を選ぶのは、砂漠の日差しのせい。うっかり黒い車を買ってしまうと中古で売るとき苦労するそうです。

スムがあまったらどうするか

日本にもどってからスムを円には交換できません。タシュケント国際空港にはお土産売り場がたくさんあるのでお買い物をしましょう。お勧めは蜂蜜、プロフの缶詰。それでもあまったら、チップボックスに入れてしまってもいいでしょう。

グンマとはなにか

日本人にとっては覚えやすい名前ですが、ヒヴァのあるホラズム地方の郷土料理。肉を生地で包んで揚げたものでこれがなかなかおいしい。ヒヴァだけでなくブハラやサマルカンドでも食べられます。

有用な参考資料

やっぱり日本語で得られる情報は多くありません。

『地球の歩き方』伊藤さんのブログ

基本。記事がたくさんあるのでかたっぱしから読んでメモしましょう。

みんぱく映像民族誌シアター第42集『オアシス都市のくらし』

国立民族学博物館撮影・製作 サマルカンドの調理風景、結婚式を取材した貴重な映像資料。
関東では東京国立近代美術館国立歴史民俗博物館に所蔵があります。関西のかたはもちろんみんぱくで視聴できます。

おすすめウズベク語学習法

ざんねんながらアプリはみつかりませんでした。そのかわり有用な動画講座シリーズをを二種類みつけましたのでご紹介。

1ヵ月でなんとな~くマスターするウズベク語

日本人によるウズベク語講座。全20回。文法の説明がとにかくていねいでわかりやすい。唯一の難点は、BGMがうるさすぎて発音がよくききとれないこと。

Uzbek language for beginners

こちらはネイティブ、英語での授業。全50回。ウズベク語の歴史にも触れてくれる興味深い内容。なによりSaida先生(37歳)が美しい、おもしろい。どんどん理解が進みます。文法事項だけでなく「カフェで」「タクシーに乗る」「シャシリクを注文する」「バザールでノンを買う」など実践的会話も。

ウズベク語は日本語とおなじ膠着語で、文法がひじょうに規則的です。これらの動画講座を数ヶ月やりこんだら日常会話レベルには達するんじゃないかと思います。

おまけ1・ウズベキスタンの英語

「Check, please.」は通じません。
トイレ=「bathroom」も通じません。ロシア語の「トアレット」は通じます。

おまけ2・ウズベク語を勉強してはみたけれど

じつは。サマルカンドとブハラにはタジク系のひとたちがたくさん住んでおり、おもにタジク語が話されています。タジク語はペルシャ語系の言語で、ウズベク語とはまったくちがいます。サマルカンドとブハラにいくなら勉強していったほうがいいと感じました。

 

 

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冒険の旅へ。

『代書屋ミクラ すごろく巡礼』表紙
『代書屋ミクラ すごろく巡礼』
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単行本、四六判
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装丁 宗利淳一
★冒頭試し読み
●学術論文執筆代行業「代書屋」シリーズ初の長編。今回は学術色薄めで、ミクラのミッションはひとさがしです。失踪した依頼人(例によってきれいな女性)を追って、巡礼の島にやってきたミクラ。ところが巡礼のルールはなぜかすごろくで、さいころの生み出すランダムネスに翻弄されまくります。すごろくレースの参加者たちもみな個性的、協力しあったり妨害されたり。はたしてミクラは、依頼人を探し出すことができるのでしょうか。あの参加者の意外な正体も読みどころです。
あ、若いみなさんすごろくってわかりますよね。桃鉄みたいなものです。
長編なのでもくじはありません。
なお、本書を読むために前作『代書屋ミクラ』を読んでいる必要はまったくありません。独立しておたのしみいただけます。

松崎有理のほかの著作については、作品一覧ページをごらんください。

     

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