『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント詳細レポート






『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

「かな式 まちかど」おおむら しんいち さんも
東京創元社若手編集者F嬢に抱えられ、「ふ」姿でご出席。



2011年1月15日(土)午後4時より、
東京都立川市にあるオリオン書房ノルテ店ラウンジにて、
『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント が、開催された。

『原色の想像力』トークイベントを近日中にやりますよ、という話をきいて、「いきます」と即答した松崎。
当日は、先着10名さまぶんの粗品 *) を準備し、のぞみに乗って立川へとやってきた。
もちろんメモ帳・カメラ持参、取材する気まんまんだ。


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

本番直前の控え室風景。
打ち合わせ中の演者四人。左から、日下三蔵先生、大森望先生、山田正紀先生、東京創元社編集部の小浜徹也氏(以下、記事中では基本的に敬称略)。
写真右隅にあるのは、松崎が持参した『原色の想像力』。


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

4時をまわり、ついに『原色の想像力』イベント開始。
遠いし有料だし、お客の入りはだいじょうぶかな、とひそかに心配していたけれど
このとおりの盛況。
これがきっと山田パワーなんだ、と納得する。

話はもちろん、『原色の想像力』ができたいきさつについて、からはじまる。

大森「この本はね、小浜さんの趣味の企画みたいなもんなんですよ。
昔やってたSF同人誌をまたつくってみました、ってかんじの」
小浜「わはは(否定しない)でも、座談会はあのまんまですよ。まるで修正なし」

山田「これほどちがう作品10本が、一冊にまとまっている、というところがすごい。
SF界にいい刺激をあたえましたね」

話題はしだいにSF談義へ。
SFにとって新しさとはなにか、というひじょうに悩ましい問題について白熱した議論が交わされる。
山田「古いから悪い、っていうことはぜんぜんない。
新しい・古いと、よい・悪いは、同じ軸で語っちゃいけないんです」


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

この議論の間じゅう、松崎の頭に浮かんでいた図。

日下「こんな変なことを考えたんだぞ、っていうアイデアで勝負できるのが、SFのいいところなんですよ」
という発言が印象に残った。

それから、当日きていた『原色の想像力』著者たちが、ひとりずつ前へ。自作、および次回作について語ってくれた。
さいしょに呼ばれた松崎は、じぶんでカメラをもっていたので、とうぜん写真はなし。
なにをしゃべったかも、よくおぼえていない。
ただ:
松崎「(会場に)今日はみなさま、遠いところをわざわざ」
小浜「きみがいちばん遠いだろう」
という漫才みたいなかけあいがあったことだけは、明瞭におぼえている。


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

第一回創元SF短編賞 佳作受賞の高山羽根子さん。「うどん キツネつきの」執筆。
本にのっている著者プロフィールの生年はあやまり。ほんとうはもうみっつ、若い
「実際にあったことをもとにして、書きました。
作品のテーマは”飼育”です」
(ここだけ切り出すとちょっと変かも)
「もう緊張しちゃって、小浜さんの顔しか見られませんでしたよ」とは、イベント終了後のコメント。


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

第一回創元SF短編賞 山田正紀賞の宮内悠介さん。「盤上の夜」執筆。
「ゲーム取材のライターを共通の語り手に設定した、新感覚ゲームSFの連作短編です。
つぎは『ミステリーズ!』(東京創元社)に書きます」
50枚の作品を直すために40冊の資料を読破する、という努力家。


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

端江田仗さん。「猫のチュトラリー」執筆
(本人のご希望によりガウスぼかしをいれています)。
「冬の文学フリマに『清龍友之会』という名前で、小説同人誌を出したりもしています」
(ちなみに、宮内さんもおなじ同人)
小浜「で、次は?」
「……すみません、いま、書いてます


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

笛地静恵さん。「人魚の海」執筆
(本人のご希望によりガウスぼかしをいれています)。
SF同人としての活動暦の長いひと。
「今回は巨大女性だったので、次の作品では小人をだしてみました
会場、爆笑。

そのあとは、さる1月12日に締切がすぎたばかりの第二回創元SF短編賞について。
小浜「今年はすくなくなるだろう、というおおかたの予想をうらぎって、またしても600本集まりました。
古い作品がたまっていたせい、というわけではなかったようです。
ただ、メール応募にはいろいろとトラブルが多くて、
作品じたいが添付されていない、というものまでありました。
今後は応募フォームの導入を考えています」


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

ここでハプニング発生。
メールアドレスの宛先不備で投稿できなかったので、会場で直接小浜氏に原稿をわたす、という剛の者出現
大森「これはきっと伝説になるよね」


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

しかも、その場で原稿をかこんで選考会モード
山田先生に一次選考でみていただけるなんて果報者だ。
大森「冒頭部は、いいんじゃないの」
ライブならではのたのしい事件があったところで、おひらき、となった。
きてくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。


『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

その後、もより居酒屋にて打ち上げ。
「ふ」姿でイベントに参加した おおむら しんいち さんも、もちろん同席。
みんなに写真を撮られていた。大人気だ。

打ち上げ余談。
『原色の想像力』著者たちがあつまるテーブルで、こんなやりとりがあった:
松崎「半魚人って、タンノくん **) のことですよね?」
笛地「え」
端江田「いま、ぼくの脳内で、あの情緒的神話世界のイメージが一瞬にして柴田亜美絵に塗り替えられました
その場にいた全員が同様であった、ことはいうまでもない。


*) 松崎の用意した粗品公開:

『原色の想像力 創元SF短編賞アンソロジー』刊行記念トークイベント

左から、
 『原色の想像力』オリジナルステッカー
 『原色の想像力』オリジナルしおり(粗品進呈は10名限定だったので、10本の収録作それぞれについてデザインし、順番に一枚ずつわたした)
 『原色の想像力』オリジナルポストカード
写真のしおりをみて、タイトルがちがうんじゃないの、と疑問に思う向きがあるかもしれないけれど、
松崎のなかでは、あの作品は「減食の創造力」です。

**) タンノくん
柴田亜美による傑作ギャグまんが『南国少年パプワくん』に登場するキャラクタ。
網タイツをはいたすね毛だらけの脚が生えた魚の姿をしており、
もうちょっとでみんなに食べられそうになる、という体をはった技で笑いをとる。